天使と悪魔
第一部:地上に堕ちた天使
天使はある時
天界から間違って、地上の人間界の
ある「川の橋の上」
へ落ちてしまいました。
人間にとって
天使の姿は初めて目にするので驚き
心ない人間達は脅威に感じ
天使に石を投げ追い出そうとしました。
天使は逃げ出したくても
太陽の下では眩しすぎて 飛んで舞うこともできません。
美しかった天使の羽根は石で傷つき
もう夜空で自由に羽ばたくことはできなくなってしまい
元にいた天界に帰れなくなってしまいました。
そしてある三日月の夜のこと。
天使はそれはまるで月に迎い入れるかのように
いくつもの翼がキラキラ光り
上に上に吸い込まれていきながら
なんとか天界に戻りました。
すると、天使の羽根は瞬く間に美しく元に戻りました。
しかし、天使はせっかく元に戻った美しい自分の羽根に
3つの願いをこめ呟きながら
人間達のために
羽根の1枚1枚を地上に落としはじめました。
「彼には、この羽を優しさに変えて」
「彼女には、この羽を希望に変えて」
「あの子には、この羽を勇気に変えて」
その羽根は、影を覆い隠す美しい光となって
人間達の心の中に
ゆっくりとしみ込んで
優しさと希望と勇気を与えました。
こうして
いつの間にか全て自分の羽根を与えた天使は
自由に夜空を舞うことも
もうできなくなってしまいましたが
三日月に腰かけて
夜空から
下界にいる人間達をいつも見守り続けています。
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